はじめに
情報過多の現代社会において、効果的な情報整理法を身につけることは重要ですが、同時に難しい課題でもあります。今回ご紹介する「3WHAT・3WHY・1HOW」というメモ術は、シンプルでありながら奥深い方法です。この技術を習得するには練習と忍耐が必要ですが、一度身につければ問題解決や意思決定に大きな力を発揮します。
「3WHAT・3WHY・1HOW」メモ術
「3WHAT・3WHY・1HOW」メモ術は以下の要素で構成されています。
まず、「3WHAT」から始めます。これは、事象の基本的な側面を捉えるためのステップです。
- 「それは何か」:定義を明確にします。
- 「何が起こっているか」:現象を観察します。
- 「何がその結果起こるか」:予想される結果を考えます。
次に「3WHY」です。これは状況をより深く理解するためのステップです。
- 「なぜそれが起こっているのか」:原因を探ります。
- 「なぜそれが好ましくないのか(あるいは好ましいのか)」:影響を評価します。
- 「なぜ今まで解決されていないのか」:障害や課題を特定します。
最後は「1HOW」です。
- 「どうやればいいか」:具体的な対策や解決策を考えます。
この方法の習得が難しい理由の一つは、各ステップで適切な質問を自分に投げかけ、的確な回答を導き出す必要があることです。特に「Why」の部分では、表面的な理由だけでなく、根本的な原因まで掘り下げる洞察力が求められます。また、「How」では創造的思考力も必要となります。
使用例
しかし、この方法を習得する価値は十分にあります。例えば、「社内の生産性低下」という問題に直面した場合、以下のように整理できます:
3WHAT:
- それは何か:従業員の作業効率が低下している状態
- 何が起こっているか:締め切りの遅延、ミスの増加、残業時間の増加
- 何がその結果起こるか:顧客満足度の低下、コストの増加、従業員のストレス増加
3WHY:
- なぜそれが起こっているのか:新システムの導入による混乱、従業員のモチベーション低下
- なぜそれが好ましくないのか:会社の収益性低下、競争力の低下につながる
- なぜ今まで解決されていないのか:問題の根本原因の特定が不十分、改善策の実行に時間とコストがかかる
1HOW:
- どうやれば改善できるか:新システムの再トレーニング実施、業務プロセスの見直し、従業員のフィードバック収集と改善策の立案
さいごに
この枠組みを使うことで、問題の全体像が明確になり、効果的な対策を立てやすくなります。「3WHAT・3WHY・1HOW」は、ビジネスの問題解決だけでなく、学習や日常生活の課題にも応用できる汎用性の高い方法です。
習得には時間がかかるかもしれませんが、この方法を日常的に使うことで、思考力が鍛えられ、より効果的な問題解決ができるようになるでしょう。情報整理と問題解決のスキル向上を目指す方々にとって、「3WHAT・3WHY・1HOW」は非常に有用なツールとなるはずです。