- 作者:勝吉 章
- 発売日: 2004/06/18
- メディア: 単行本
文書は的確さが大切
「あなたは良い日本語が書けますか?」
という質問を受けたら、私は自信を持って「はい」と答えることができません。
「良い」という言葉の定義は様々あるかと思います。人それぞれで「良い」のとらえ方は異なるでしょう。
文書を書く目的を「意見や事象を読み手に伝える」としたならば、文書には、より「的確であること」が求められます。
私はこの「的確さ」こそが良い文書の第一条件だと思っています。
私たちは学校で文章の書き方を習っていない
ところが、私たちが受けた国語の義務教育を振り返ってみると、「読む」と「書く」という学習に特化して、的確に伝えるという文章力をつける学習は皆無でした。
振り返って考えると、小学校、中学校で受けた授業は、長文を読み込む学習と、正しく漢字を書く学習に偏重していた気がしてなりません。
形式的な文章を受け取り、内容を把握する技術は十分に身についたと思います。しかし、自身の頭で考えて、その考えを整理して文書にするという技術は、学習した記憶がありません。
また、私自身がが的確な文書を書く力が備わっているとも思いません。
文書を書くために基礎的な知識が欠けているのでは?
私たちは、社会に出て多くの文章を書いてきました。
文書を作るという作業は、データを集めて、整理して、文書化する。
言葉に表すと単純ですが、作成する文書はどこか稚拙で、的確な文書になっていません。
これは、論理的に文書を組み立てて考えるということ以前に、日本語の使い方に問題があると思います。
例えば、「、」を打つ箇所ですが、私はいつも悩んでしまいます。学校では、文書の区切りに入れると習いましたが、習ったとおりに入れるとどうもしっくりきません。
的確な文書は、短くわかりやすくなければなりません。
では、このような文書を書くにはどうすればよいのでしょうか。
あなたの文書が上手いと言われる7つの方法
「月1千万円稼げるネットショップ「売れる」秘訣は文章力だ!」は、私たちが的確な文書を書くために、気をつけるべきことが書かれた書籍です。
書かれていることは、基本的なことが多いのですが、「なるほど」と思うことが多く、大変に役に立つ一冊です。
本書より、基本的なことだけど、気をつけると文書の的確さが、劇的に変化するであろうTIPSを7つ紹介します。
その1 「が」でつながない
文書を何気なく「が」でつないでしまいがちですが、「が」で文書をつないではいけません。
例文を本書内より引用します。
【悪い例】
・説明書に書いてあるとおりに使用しますが、使い終わったらフタをきちんとと閉めてください。
【良い例】
・説明書に書いてあるとおりに使用します。使い終わったらフタをきちんとと閉めてください。
その2 いきなり「も」を使わない
「も」は前の文と比較する際に使用する接続語です。いきなり登場すると文書に違和感が出ます。
例文を本書内より引用します。
【悪い例】
・北海道は、かにもうまい。
【良い例】
・北海道はウニがおいしい、かにもうまい。
その3 「い」抜きはだめ
「○○してる」という表現ではなく「○○している」という表現が正解です。
例文を本書内より引用します。
【悪い例】
・笑ってる顔
【良い例】
・笑っている顔
その4 意味のない「の」は使わない
「○○するのは」などでよく利用される「の」は言葉として意味がありません。意味のある言葉に置き換える必要があります。
例文を本書内より引用します。
【悪い例】
・文章に、「の」、そしてつぎに説明する「で」を使わないのは、レベルが少し高い文書作成技術です。
・コツを掴めば、うまい文章を書くのは、それほどむずしくありません。
【良い例】
・文章に、「の」、そしてつぎに説明する「で」を使わない書き方は、レベルが少し高い文書作成技術です。
・コツを掴めば、うまい文章を書くことは、それほどむずしくありません。
その5 意味のない「で」も使わない
「で」も言葉自体に意味がありません。意味がある言葉に置き換えます。
例文を本書内より引用します。
【悪い例】
・夏は、一家で宮崎に帰省します。
・これでは、こなれていない。
【良い例】
・夏は、一家そろって宮崎に帰省します。
・この書き方は、こなれていない。
その6 品位のない「しる」「して」「やる」は使わない
場面によりますが、「しる」「して」「やる」は利用することで、文書の品位を落とします。
例文を本書内より引用します。
【悪い例】
・手続きをしています。
・読書をすることです。
・大掃除をやることに決定しました。
【良い例】
・手続きを行っています。
・本を読むことです。
・大掃除を行うことに決定しました。
その7 「つまり」はここ一番のときだけ使う
つまりは、そこまで説明していたことを、要約して書く場合に使います。多用してしまうと文書の論旨が見えなくなってしまいますので、最後に一回だけ使うようにします。
おまけ
現在、本書は、廃刊になっているようで、アマゾンなどの書店から購入することができません。
私が考えるに、内容が素晴らしいに、タイトルがあまりにも安易な気がします。
「1千万売る文書力」などというタイトルは、怪しすぎて、内容もそれ相当の評価をされた気がしてなりません。
文書の基本を得るためには、とても有用な書籍ですので、タイトルを変更して再刊することを希望します。