情報を瞬時に整理しアイディアを生み出す!ノート・メモ フル活用術

「本格的にノートを使うぞ!」と決心はしたものの、何を書いていいのかわからない。どういう書き方をすればいいのかわからない。こんな、つまらない考えの前にノートを書く手が止まってしまう。別に何をどんなふうに書いても構わないのだが、スタイルから入ってしまうわたしには、大問題だったりする。

サッカーを始めた少年がメッシに憧れて真似するように、ノートを書くわたしも、何かお手本となる誰か(何か)を探し、しっかりと模倣をしなければならない。

「情報を瞬時に整理しアイディアを生み出す!ノート・メモ フル活用術」はそんな模倣したいわたしに多くのお手本を提示してくれる。ノートの基本的な知識から、会議ノートの書き方、発想するためのノートの書き方、仕事でのノート術、営業・商談でのノートの書き方、オススメの文具まで、本書があればノートの使い方について、ひと通りの知識を得ることができる。

わたしは、仕事で会議も商談もない。求められるのは、とことん考えるということ。インプットされた情報をうまくノートに落として、再活用可能な情報に変化させることが求められる。
一般的なノートの書き方としては、得た情報を箇条書きに書き込んでいくことだ。しかし、この方法では備忘録的な使い方から脱却はできない。

「じゃあ、どうやってノートを書くの」という疑問のヒントが本書にはある。第3章の「発想・企画ノート術」では、アイディア発想の定番といえる情報の整理方法が多く掲載されている。イメージマップ(マインドマップ)、ロジックツリー、フィッシュボーン、オズボーンのチェックリスト、マンダラアート、5W3H、モホロジカル分析などなど。
持っている情報をこれらの形式に書きなおしただけで、見えてくる情報の角度が大きく変わり、箇条書きでは判ることがない情報の特性や隠れた意味が見えてくる。

これらのツールを利用しようとすると、ぐっとハードルが上がる気がして気持ちが引けるが、臆することはないノートはいたずら書きをするための場所なのだ。間違ったツールの使い方をしていても問題ない。大切なのはノートなのではなく、そこから見えてくる新しいアイデアなのだから。

本書と似たコンセプトの図書に『図解 ミスが少ない人は必ずやっている「書類・手帳・ノート」の整理術』がある。カバン、コンピュータ、ノート、手帳などのビジネスツールの基本的な使い方が紹介されている。新入社員や自分の仕事に疑問を持っている社会人には、ぜひとも手元においておいて欲しい図書だ。

本書の位置づけは、『図解 ミスが少ない人は必ずやっている「書類・手帳・ノート」の整理術』のノートの項を更に詳しくしたものという感じか。同じ出版社ではないが、レイアウトなどが似ているので同じシリーズでは?という印象を持つくらい似ている。
ちなみに本書には、「結果を出している人が必ずやっている 手帳フル活用術」という姉妹図書がある。まだ、中身を見てはいないが、本書の出来を見る限りでは、大いに期待できるのではないか。