作者の紹介
1965年生まれ。青山学院大学卒業後、株式会社リクルート入社。企画部、編集部を経て組織人事コンサルティング室課長。2003年リクルートを退社し、(株)フェイス創建代表取締役就任。リーダーシップ開発に特化したコンサルティングおよび教育研修を行っている。
本書の内容
「自分で仕事をやった方が早い」ともう心は周りの信頼を失墜させ、自分自身の能力向上にもつながらない。本書は「自分で仕事をやった方が早い」という病の原因と、回復のための処方箋を説く。
本書のポイント
「自分で仕事をやった方が早い病」が悪化すると
「自分で仕事をやった方が早い病」が悪化すると、上層部や部下の信頼が失墜する。自分自身で仕事を片付けなければならないため、心身に不調があると仕事のクオリティが大幅に低下する。常に余裕がない状態で仕事で仕事を行う必要があるため、周囲に対する思いやりがなくなり、ついには健康を害し、それまでの社内の実績を失うことになる。
「自分で仕事をやった方が早い病」を克服すると
「自分で仕事をやった方が早い病」を克服すると、周囲を生かした仕事ができるようになり、より大きな仕事ができるようになる。チームとの一体感を感じることで、より一層のやりがいと幸福感を得ることができる。
仕事をさせていただく幸せ
人間には3つの幸せがある。ひとつめは「してもらう幸せ」、二つ目は「自分でできる幸せ」、三つ目は「してあげる幸せ」。三つ目の「してあげる幸せ」が最も幸福度が高く、価値高い。「自分で仕事をやった方が早い病」は、二つ目の「自分でできる幸せ」で止まりで、自分中心から抜け出していない。
「してあげる幸せ」は我慢が必須になる。仕事を部下に任せたら、完璧を期待せずに40%程度を許容範囲とする。
仕事を任せるということ
- 「任せる」は失敗が前提 ー 何百回でも失敗することを前提とする
- 「任せる」は「丸投げ」ではない ー 常に細かくチェックする。いざという時にすぐに助け船を出せる心構えを
- 他人に任せても楽にはならない ー 任せでも楽になるわけではない。より仕事が増える覚悟をする
「自分で仕事をやった方が早い病」の処方箋
- まずは痛い目に遭う ー 痛い目に遭うことで何が間違っていたのかを知る。そのうえで利己主義から利他主義に意識を変える
- 部下を育てることを自分の未来をつくること ー 最初は「任せる」と「自分でやる」を短いサイクルで繰り返す
- 任せて失敗させる ー あえて失敗させることで部下の成長を促進させる
- 仕事と責任をセットで任せる ー 責任がせっとになることで仕事の受け手のモチベーションを上がる
- 使途とのやり方に口出ししない ー 仕事のやり方は千差万別。自分のやり方を押しつけない
- あれこれと指示しない ー 仕事を任せたらあれこれと口出しをしない。100個いいたいことがあったら優先度を考え3つ程度アドバイスする
- 計画と検証は一緒に ー PCDAサイクル(Plan-DO-Check-Action)のP(計画)、C(検証)、A(改善・仕組み化)を一緒にやり。DOは全面的に任せる
- あえて70点のマニュアルを作る ー マニュアル化できなくてもチェックリストは作成する。100点のマニュアルを作らなくても、必要最低限のマニュアルを作る