■はじめに
人間は長く生きていると、得た知識や経験が先入観となり、思考の範囲を狭めていきます。
これを哲学者ベーコンは「イドラ」と呼びました。
イドラには4つの種類があます。
- 種族のイドラ ー 感覚だけで判断するイドラ(錯覚、思い込み)
- 洞窟のイドラ ー 教育によるイドラ(偏見など)
- 市場のイドラ ー 人々の噂などによるイドラ
- 劇場のイドラ ー 思想や学説によるイドラ(権威への思い込み)
ベーコンはこのイドラを取り除くことで、人間は心理にたどりつけると説いています。
■わたしたちは思い込みで生きている
川村透氏の著書「答えはいつも、自分の枠の外にある」は、ひとがもつ「思い込み」を具体的な実例によって、解いていく1冊です。
例えば、頭の上で人差し指を立てて、時計まわりに大きくまわしてみます。そして、その指を回しながらベルトの位置まで下げて、上からのぞき込んでみましょう。
すると、指はどっち周りにまわっていますか?
時計回りにまわっていたはずの指が、反時計周りにまわっています。
このように、わたしたちの思いや考えは見方を変えただけで、大きく変わってしまうのです。
上記の例では、自分が意識的して時計回りにしたという事実が、時計回りから離れられない原因となっているのです。
見方を変えれば、まったく違う事実があるのですが、時計回りにしたという事実が大きな思い込みとなり、上から見ると反対回りという事実を隠してしまうのです。
本書は、具体的に思い込みを変えるという方法を述べているのではなく、わたしたちは「こんな思い込みに囲まれている」という事実を教えてくれます。
■思い込みをなくして自分らしく生きる方法
1)自信をつける
まずは、なんの根拠もいりません。自分に自信を持って行動してみましょう。それは勘違いだって問題ありません。
- あえて勘違いすることで、自信は生まれる
- うまくいくところから攻めていく
- いまあるものに新しい価値をつけることも出来る
- 大きな変化も、ほんの小さなきっかけで起こすことが出来る
- 環境やニーズが変われば、自分にも日の当たるときがくる
- 自分の最高の顔こそが理想の鏡である
2)トラブルに負けない
人生にトラブルはつきものです。めげても、立ち止まらずに進むことが大切です。
- 窮地に陥ったら、それが持つ他の機能や使い方にも目を向ける
- 空から見下ろせば、自分の悩みなどちっぽけだ
- 目の前のマイナスは、後に続くプラスの一部になる
- どうやるかより、出来たときのイメージを見せること
- 将来とのつながりで、いまを考えよう
3)成功者に学ぶ
最初からうまくい事なんてありません。まずはうまく行っている人のマネをしてみましょう。
- 予算がなくても、アイデアでカバーできる
- いまある資源を最大限に活かす
- 本来あるべき姿に立ち返る
- その価値を見いだしてくれる人が、必ずどこかにいる
- ゼロになったからこそ、できることがある
4)反射的に反応しない
なにかネガティブな反応があると、瞬時に固まってしまいそうになります。冷静に判断することを忘れてはいけません。
何か起きても反射的に反応しない。まずは、立ち止まって、自分にとって有益な見方を選ぶ。もしくは、新しい意味を創造してから、自分の反応を決める