「ビジネス書大賞2012」が発表されました
ちょと遅い情報になってしまいましたが、本年も「ビジネス書大賞」が発表されました。
昨年の「ビジネス書大賞2011」では書籍も発売されていましたが、本年はホームページ上での発表だけです。数年前の勝間和代氏の登場から、世は「スキルアップ」ブーム時代に突入し、話題になるビジネス本が多かったのですが、「もしドラ」を最後にムーブメントは消えてしまったようです。
そんな世情を反映してか、今年の「ビジネス書大賞2012」はひっそりという印象が否めません。事実、私は5月11日の発表から約2週間知らずにいました。
ちょっと小粒になった、今年の「ビジネス書大賞2012」。受賞作品もちょっと小粒です。
大賞
■僕は君たちに武器を配りたい/瀧本哲史
■スティーブジョブスI・II/ウォルター・アイザックソン優秀翻訳ビジネス大賞
■スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション/カーマイン・ガロ
書店賞
■インバスケット思考/鳥原隆志
特別賞
ーーー本年の受賞作を見ると傾向が確実に変わったことがわかります。
2010年、2011年の受賞作は以下の過去記事から確認できますので、是非見てください。
何が変わったのかというと、スキルアップに対する漠然としたあこがれがなくなってきていることです。過去の受賞作を見ると、まだまだ未来に対する期待のような感情があったのではないのかと思います。スキルアップして論理武装、情報武装すると競争社会に勝ち残れると。
でも、それが間違いであった(というか疲れた?)と思い知らされました。上記の記事では2012年は「分かち合う」がテーマになると書きましたが、そのようなマインドには向かわなかったようです。
それを如実に表しているのが大賞の2タイトル。
「僕は君たちに武器を配りたい」での主張は「会社に属さず生きる」ということでした。また、スティーブ・ジョブスの生涯は、私たち庶民が決してたどることのない歴史です。
勝間和代が勝間和代として生きるにはちょっと難しい方向に時代は向かっています。これからの時代は「猪突猛進まっしぐらさ」って思っていたけど、実は違った。しなやかで、優しくて、大風呂敷を広げない人が求められていたのです。
スキルアップという武器が役立たずであることがわかった今、ビジネス書のトレンドはどこに向かうのでしょうか。
などと妄想しつつ、今年度も一生懸命本を読むぞ!と誓う今日この頃なのであります。
■本家サイト
ビジネス書大賞2012