社員が生き生きと働く会社の基本思想

アメリカのザッポスは、社員満足度が非常に高い会社です。
ザッポスのCEOトニー・シェイの基本的は考えは、「満足している社員が顧客の満足を生む」ということです。
トニー・シェイは自社の使命を「顧客に幸せを届ける」ことと定義しています。
顧客に幸せを届けるために、社員に最大限の決裁権を与えています。上司の判断を仰ぐことなく、その場で判断して行動することが顧客を幸せにする近道と考えるからです。
以下は、トニー・シェイの著書「ザッポス伝説」より社員満足について抜粋したものです。
社員満足度の高い会社をつくるために、トニー・シェイはどのようなことを考えたのでしょうか。

その1 基本思想

  • 自分で自分をコントロールすること ー -定期昇給だけではなく、スキルセットの取得(社内試験?)がいつでも可能
  • 進歩を感じること ー 昇進のタイミングを年一回ではなく6ヶ月ごとに設定
  • 社員同士のつながり ー 社内に親友が持てるよう職場文化を育てる
  • ビジョンと意味 ー 企業ビジョンの明確化と正しい伝達

その2 「マズロー欲求段階説」の活用

生きるために必要なことが満たされると、人は社会的地位、達成感、創造性といった非物理的な欲求によって動機づけされる。

5 自己実現欲求 充実感、自立、創造性、倫理性、信頼性、事実の受容
4 自我の欲求 実績(成し遂げたこと)、地位、責務
3 愛情と貴族の欲求 家族、人間関係、友人
2 安全の欲求 住居、安全性、保護、雇用の安定
1 生理的欲求 食べ物、空気、休息、水、睡眠、セックス

マズロー欲求段階説をもとにより高い次元の欲求を満たすことを目指す。
例えば、

  • 顧客の満足度を上げる ー 「期待を満たす」→「欲望を満たす」→「意識していないニーズを満たす」
  • 社員 ー 「給与」→「評価」→「(働く)意味」
  • 投資家 ー 「短期の投資」→「長期の投資」→「後世に残る投資」

このように、より高い要求を満たすための働きかけを社員に対して行う。

その3 幸福感の3タイプ

  • 快感
  • 情熱
  • 崇高な目標

「(個人の)幸福」と「素晴らしい会社」は同じ。
(個人の)幸福は「快感、情熱、目的」が満たされる時に感じる。素晴らしい会社は「利益、情熱、目的」が満たされている。

顧客の満足ではなく、まずは、社員の働く気持ちとその満足度にフォーカスを当てること。
これが、最終的に顧客の満足を生むのです。