「ユダヤ人大富豪の教え」は、ボランティア団体の招きで、アメリカに渡った主人公年ケンが、富豪のゲラー氏に人生とお金について教わるストーリーです。
ゲラー氏は、ケンに17の成功の秘訣を伝授します。
ものごとの本質を見抜き、あるがままの現実を見ることができれば、成功は約束されたようなものだとゲラー氏は言います。
そして、その秘訣を習得するには、自分の中の恐れ、不安、偏見や思い込みがあってはならないと。
ゲラー氏が教える17の秘訣とは、どのようなものなのでしょうか。
17の秘訣
(1)社会の成り立ちを知る
- お客さんを喜ばすサービスをする
- ビジネスシステムを作るかどうかが成功のカギ
- 人生を変える決意をして自由を手に入れる
(2)自分を知り、大好きなことをやる
- 安定した人生を選ぶことは「退屈な人生を生きる終身刑」を受けた受刑者になること
- 「得意」と「好き」は異なる
- 幸せになることは大好きなことをやること
(3)ものや人を見る目を養い、直感力を高める
- 社会がどう変化するかを見極める
- ビジネスの本質が何かを見抜く
- 深く頭で考えずに直感を信じる
(4)思考と感情の力を知る
- 考えたことが人生で現実とものとなる
- 自分の望む現実に意識をフォーカスする
- 人生を信頼できるものだけに幸せは訪れる
(5)セールスの達人になる
- トップのひとのやり方を真似る
- 黙っていても売れるサイクルを作る
- 感情のない人間は成功しない、心の内に情熱の炎を燃やす
(6)スピーチの天才になる
- コミュニケーションのカギは感情
- 契約が欲しいからといって、いい加減なことは言わない
- ネガティブな言葉を口にしない
(7)人脈を使いこなす
- 応援してくれるひとをつくる
- 平等に人に接する
- 利害を超えた友情は人生で一番大切なもの
- お金と健康的につき合う
- お金に感謝と愛情を持つ
- お金の知恵を身につける(たくさん稼ぐ、節約、稼いだお金を守る、投資する、分かち合う
(9)自分のビジネスを持つ
- ひとを喜ばせた分だけお金が入る
- 自分のビジネスを持つ
- 成功の5原則(好きなことをする、ビジネスに必要な知識を学ぶ、小さくスタート、儲かるシステムを作る、自分がいなくてもよい仕組みを作る)
(10)アラジンの魔法のランプの使い方をマスターする
- 人生の目的を明確にする
- 失敗する理由(すべきことを目標にしている、モチベーションが低い、具体策を持たない、達成の期限がない)
- 正しい目標設定(ワクワクする目標を立てる、作業を細分化してスケジュールを立てる、ご褒美と罰を用意する、目標達成をイメージする、行動する)
(11)多くの人に気持ちよく助けてもらう
- 多くの人を巻き込み助けてもらう
- 専門家の力を借りる
- 監督としてプロデュースする力を身につける
(12)パートナーシップの力を知る
- どういうときも誠実に接する
- 富を築きたかったら最愛の人と結婚する
- パートナーシップを成功させる5原則(問題はその場で解決、決定するときはお互い100%合意する、相手に感謝する、自分の幸せに責任を持つ、夫婦は運命共同体と認識する)
(13)ミリオネア・メンタリティを身につける
- セルフイメージ(自分で思う自分)を高める
- 自分の望む人生をイメージする
- 豊かである意識を維持する(私は恵まれていると思う)
(14)勇気を持って決断し、情熱をもって行動する
- 大切なことはすぐに決める
- 決断力を付ける
- 自分の意思で決定する(意図的に決める、価値観と優先順位を決める、決められないときは待つ、決断に失敗がないことを知る、決めたら断固たる態度で臨む)
(15)失敗とうまくつき合う
- 失敗はあきらめたときに起きる
- 現在に意識を集中する
- 心から楽しむことが魂の喜びと経済的な豊かさをもたらす
(16)夢を見ること
- 成功するには夢が必要
- ほとんどのひとは夢を忘れている
- 夢を忘れない
(17)人生がもたらす、すべてを受け取る
- 人生で起こることはすべて中立、良いことも悪いこともない
- ツキだけよくしたいと思っている人間は、どんどんツキがなくなる
- 栄光をもたらす7つの関門(自分を見失う、家族や友人を失う、上昇時にはエアポケットが出現する、身近なひとが事故や病気が起こる、周りに批判や自己不信、不信・嫉妬・不安、成功への恐れ)
感想
「情熱をもって自分の好きなことをやる」
このメッセージは、多くの成功本で言われているものです。
自分のビジネスを持ち、好きなことをやるという課題は、とてつもなく大きくて難しい課題に思えてしまします。
近代的な会社組織ができて100年。パナソニックやソニーは50年程度。楽天やDeNAは10数年。私たちが住む近代社会は100年程度の歴史しかなく、その中で生まれた大企業はとても短い歴史しかありません。
人類が歩んできた数千年の歴史から見れば、たった一瞬の出来事なのです。
私たちが無理だと思っている事柄の多くは、社会がつくったウソの常識や自分自身の心のブレーキです。
その無理をこれからも誰かがやり遂げ、これからも社会を代表するビジネスは生まれて大企業になっていくでしょう。
その会社のトップは「情熱をもって自分の好きなことをやる」ひとに違いありません。
ゲラー氏は、ケンが日本に帰る際、「成功を受け入れる抵抗」について次のように語ります。
最後の難関は、成功への恐れだ。ある心理学者によると、人生で最大の恐怖は、死の恐怖よりも、成功することへの恐れだと言う。私は、自分の体験から言って、それは正しいと思っている。普通の人は、失敗の方を恐れていると思うだろう。しかし、それは成功への恐れに比べれば、大した恐怖ではないのだ。
誰もが成功する可能性を持っているにもかかわらず、自ら心にブレーキをかけて、成功から逃げているのです。
- 作者:本田 健
- 発売日: 2003/06/19
- メディア: 単行本