売れる仕組み構築プログラムでリピーターを増やす方法

■はじめに

高田靖久氏の著書『「1回きりのお客様」を「100回客」に育てなさい!』では、簡単に固定客を7倍にする方法が紹介されています。
新規のお客様が初来店から3ヶ月以内に、もう2回来店してもらうことができれば、そのお客様は固定客化して、さらに10回以上来店してしてくれます。これは、3ヶ月以内に来店しない場合の7倍になります。
であれば、新規のお客様が3ヶ月以内に、もう2回来店してもらう工夫を施せば、あなたのお店の顧客数は単純に7倍になるわけです。

本書の著者は、顧客管理ソフトウェアを開発し、800社以上のお店に販売、指導してきた実績を持ちます。本書では、著者が多くのお店の指導を通じて体系化した「売れる仕組み構築プログラム」が紹介されています。
あなたのお店の顧客数を7倍にする「売れる仕組み構築プログラム」とはどのようなものなのでしょうか?

■売れる仕組み構築プログラムでリピーターを増やす

あなたのお店は必要とされている

世の中には、「あなたのお店を必要としている」お客様が多く存在しています。そのお客様は、あなたの店の存在や価値を知らないから来店しないのです。
まずは、あなたの店の「価値観」を伝えることを心がけましょう。そうすることで、あなたの店に共鳴するお客様が集まり、固定客になっていきます。

新規のお客様に忘れられないために

新規のお客様が再来店しない理由は、単にあなたのお店のことを「忘れてしまった」からです。
新規のお客様に忘れられないように、再来店してもらえるように、来店から3ヶ月間に3つのダイレクトメールを発信します。
初来店から3日後に届ける「サンキューメール」、そして3週間後に届ける「ライクメール」、3ヶ月後に届ける「ラブメール」。
この3つのメールを発信するだけで、お客様はおなたのお店を思い出し、再来店する可能性が大幅に増加します。

サンキューメール

サンキューメールは、来店から3日後に届けるメールです。
サンキューメールでは、来店いただいたことへの「感謝の気持ち」を伝えます。しかし、「感謝の気持ち」だけでは大きな効果は期待できません。
会社の気持ちを伝え、さらに、あなたのお店の「こだわりやうんちく」、「熱い思い」を伝えるのです。
あなたは、商品へのこだわりや熱い思いを持っています。それを包み隠すことなく、お客様に伝えるのです。
また、どんなお店にも必ず「物語」があります。
開店時の苦労や、お客様との感動のエピソードなど、すばらしい物語があるはずです。
このような、無機質ではない「思い」や「物語」をサンキューメールでお客様に伝え、あなたのお店を忘れないお店にするのです。

ライクメール

サンキューメールでお客様の心をつかんでも、再来店してもらえるとは限りません。
サンキューメールで、そのまま放っていると、確実にお客様に忘れられてしまいます。
そこで、3週間後に再度メールを届けます。このメールでは、あなたのお店が素晴らしいという証拠をお客様にお知らせします。
自画自賛では、お客様は半信半疑になってしまいますので、このライクメールでは、「第三者」にあなたのお店を推薦してもらうのです。
推薦してもらう第三者は「他店」、「過去の受賞歴やランキング掲載歴」、「お客様の声」です。
例えば、あなたのお店がエステサロンなら、化粧品店やネールサロンから推薦お言葉を書いてもらいます。また、お客様からいただいた喜びの声を数多く載せます。(ひとつでは逆効果です。)もし、賞をもらったことがあるのなら、それを伝えるのです。
ライクメールでは、あなたのお店の客観的な評価をお知らせすることで、お客様に安心感を与えます。

ラブメール

ライクメールを送っても反応がない場合は、3ヶ月後にラブメールを送ります。
ただし、ライクメールで来店してくれたお客様にラブメールを送ってはいけません。なぜなら、このラブメールでは、お客様に割引を提示するからです。
ライクメールで来店いただいたお客様は、あなたのお店の魅力を理解して再来店しました。お店の魅力を理解していただいたお客様に、金銭的なメリットを使って来店の催促をしたのでは逆効果になりかねません。
ラブメールでは、30%程度の割引を提示して、こんなに安いのであれば利用しないと「ソン」だと思ってもらうことが大切です。
伝え方は、ただ単に「30%オフ」ではなく「通常1万円の商品が、30%オフで7000円。3000円もお得です」というように具体的な金額を提示して、お得感を理解してもらいます。

■おわりに

私自身は店舗を運営していませんが、過去に自分のビジネスにおいて、新規客ばかりを追い回し、既存客をおろそかにしてしまい大きな失敗を犯した経験を持ちます。リピート客を持たないために、今でも苦労をしながらビジネスを進めています。

新規の顧客を集める以上に、来店していただいたお客様が常連客になることの方が、お店の売り上げ増加には効果があるのです。この法則さえ理解していれば、販促費用などに大きなお金をかけずとも売り上げを増やしていくことができます。

本書の3つのメールは、言われれば「ああ、そうだよね」と思うようなことですが、実際に実行するとおろそかになりがちになるのではと思います。
たぶんそれは、お店側にどうしても新規客絶対主義のような考えが支配していて、新規客を集めることばかりに意識が集中するからです。

「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」という小宮一慶氏の著書があります。まさにこのタイトル通りにやることができれば、お店は正しい方向に向かっていくのだと、思いを新たにした1冊でした。