ビジネス書大賞2011で9位に選出された書籍。
課長になったばかりの元部下への手紙を通じて、課長職の尊さ、楽しさ、難しさを説く。
多くの苦難を乗り越えてきた筆者の愛情と厳しさにあふれた仕事論だ。
課長だけではなく、これから社会に出る新社会人、自身の仕事に悩む若きサラリーマンにも読んで欲しい1冊。
志を持つ
- 課長は、仕事の成果に直接的に関与できる、最もやりがいがあって、おもしろい仕事
- 課長になったら「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」を読んで部下に対する愛を学んで欲しい
- 部下を動かすのはスキルではなく、高い「志」と「パッション」
- 部下の成長や幸せのために、本気で指導していることが伝わらなければ、部下はついてこない
- 人の幸せは、愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること
- 課長の最大の仕事は、部下を成長させることである。他の実務を持って最大の仕事がおざなりになることは許されない(プレイングマネージャーであってはならない)
課長になって2ヶ月でやること
- 自ら大きな声で挨拶をする。挨拶は職場活性化のバロメータ
- 最初の挨拶で自らの信念を示す(著者の仕事の進め方10ヶ条参照)
- 自ら時間厳守を徹底する。時間にルーズな部下がいたら課のマネジメントがうまくいっていない
- 在任中の目標を決める。期間内での目標達成を目指す
- 細かい知識は部下に教えてもらう。課長が決めることは大きな流れ
部下を動かす
- 部下の仕事の目的を明確化する。ゴールを設定しやりがいを与える
- 仕事に結果をもたらすのは能力よりも熱意
- 仕事に着手するときは、何のために、いつまでに、どの程度まで、誰が誰とするかをはっきりと伝える
- 部下を家族と思い、時にはプライベートな問題にも介入する
- ほめるが8割、叱るが2割
- 対話するときは、話すが2割、規矩が割り
- 異端児は生かして、創造的な衝突を生み出す
- 課長になっても、自然体でいる。無理して格好をつける必要はない
- 下手な温情は、部下を殺してしまう。ミスが続いたらそれなりのペナルティも必要
社内政治に勝つ
自分を成長させる
- 大局観を養う。高い視点、広い視野をもつ
- 会社の常識に染まらずに、外の世界とも積極的に交流する
- お気に入りの書籍を持つ。良書は何度読んでも新たな教訓がある
- 家族を心底愛する
仕事の進め方10ヶ条
筆者が自信の信条としている10ヶ条。
今でも筆者の職場で、伝統的に根付いている。
- 計画主義と重点主義 ー 仕事を計画し、優先順位をつけてから実行
- 効率主義 ー 効率的に仕事をすること
- フォローアップの徹底 ー 計画のフォローアップを行い冷静な評価をおこなう
- 結果主義 ー 仕事は結果で評価される
- シンプル主義 ー 優れた仕事はシンプルである
- 整理整頓主義 ー 効率の良い仕事は身の回りの整理整頓から
- 常に上位者の視点と視野 ー 常に上司ならという発想で仕事を進める
- 自己主張の明確化 ー 主張は明確にし、他者の意見にも耳をかたむける
- 自己研鑽 ー 専門外の知識も積極的に習得
- 自己中心主義 ー 自分を大切にし、人も大切にする。楽しく仕事をし、健康に気をつける
- 作者:佐々木常夫
- 発売日: 2010/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)