インバウンド・マーケティング/ブライアン・ハリガン他

私たちは、自分の求める商品や一緒にビジネスをする会社を探す方法が劇的に転換した革命の時代を生きている。
革命は、宣伝広告のあり方と、私たちの消費行動をも変えてしまった。
現代は、どのようなビジネスにも、優れたウェブサイトが非常に重要であることは明白である。
インバウンドマーケティングの実践することにより、企業は3つの暗黒から解放される。

    1. 財布の大きさによって決定される「マーケティングの暗黒」
    2. 売り込みのために「人々の生活に強制介入しなければならない暗黒」
    3. 「自社を知ってもらうためはマスメディアに依存しなければならない暗黒」

インバウンドマーケティングとは、ウェブにおいて消費者から、いかに「見つけられるか」を実践する手法である。
(インバウンドマーケティングの反意語として、アウトバウンドマーケティングという語が登場する。これは、従来型のマーケティングスタイルで、一方的に製品や企業の情報をプッシュする手法をいう。)

インバウンドマーケティングの特徴

消費者はどのように買い物をしているのか
「人々があなたについて語っていること」が重要
    • 突き抜けた商品、サービスを提供する。(ユニークである、注目に値する)
    • 突き抜けるには、(1)既存を覆すような代替えのアイディアを提供、(2)何らかの世界一を目指す。
    • 突き抜けたコンテンツを提供する。(1)素早く作れるコンテンツを活用(ブログ、白書、動画、オンラインセミナ−、ポッドキャストなど)、(2)優れたコンテンツは社外秘にするという概念を捨てる、(3)自分の半分をマーケッター、もう半分を出版者にする。
    • インターネット上の自社メディアの効果を想定する。(外部からのリンク数、del.icio.usでのブックマーク数、Googleにインデックスされた数)

インターネット活用方法

ブログを活用する
    • 自社アドレスで運用する
    • 自社のビジネスに特化した記事を書く
    • 個々のコンテンツは1ページに収まる程度にする
    • 1度始めたら継続する(週に1度の更新でよい)
    • 記事の感染力を高める(魅力的なタイトル、具体的な数字をあげる、著名な人物や企業を含める)
    • コメントと会話する
    • 効果を測定する

企業ブログが失敗する理由の大半は、製品やサービスを売り込みすぎるからである。
消費者が本当に必要としている情報を提供しなければならない。

キーワード検索を活用する
    • 有料広告はなるべく活用しない
    • 良いキーワードを選ぶ(検索される回数が多い、自社ビジネスに関連性が高い)
    • 検索されやすいページタイトルをつける(重要なキーワードを盛り込む、重要なキーワードは最初に登場させる、奇をてらわずに日本語として意味のあるタイトルをつける)
    • サイト紹介文を工夫する(文書は短く、ページの紹介文を入れる、重要なキーワードを入れる)

顧客を育てる

強制的な行動喚起システム「VEPAの法則」

VEPAとは「valuable,easy to use,prominent,acton oriented」の略語である。

    • 使いやすさ(Easy to Use)
    • 魅力的なオファー(Prominent)
    • 行動を促す(Action Oriented

WEBサイトの訪問者は、自社のファンであると仮定すると、ある程度強制的な行動喚起のシステムを用意することができる。
WEBサイトの訪問者からは、奪うのではなく、徹底的に与えることを考える。
具体的には、次の情報を提供する。

    • ウェブセミナー
    • 白書、レポート
    • 電子ブック
    • 無料コンサルティング
    • リサーチペーパー
    • 無料教室、デモ、無料トライアル
効果的なランディングページとは

キーワード検索からサイトに訪れるユーザー用にランディングページを作成する。
ランディングページの作成は、以下の事項に注意する必要がある。

    • マッチング
    • クオリティ
    • 目的
    • 画像
    • 検証
効果的な入力フォーム

入力フォームはユーザーから情報を与えてもらうための重要なツールである。
確実かつ正確に入力してもらうためには、以下の事項に注意する必要がある。

    • 短い
    • 1画面に収まる
    • 機密情報を欠かせない
    • シンプルに
    • プライバシーポリシーがチェックできるように
    • 自動返信機能をつける

マーケティングを切り替える

インバウンドマーケティングを実践するには、既存のマーケティングの考え方を捨てる。
そして、見込み客をランク分けし、質の高い客を優先し、質の低い客の育成を図る。(この作業をファネルと呼ぶ)

ファネルの分類
    • すべての見込み客発生源から得られる人たちを「期待客」とする
    • 実際に商品説明をした人を「見込み客」とする
    • 購買に近い人たちを「機会客」とする
    • 実際の購入歴がある「顧客」

ファネルの種類により、顧客への対応策を練らなければならない。