ディズニーランドには約1万8000人のアルバイトがいる。これは全スタッフの約9割にあたり、1年間で約半数が入れ替わる。
このような環境の中で、アルバイトが自立して働くにはどのような教育や方針が必要となるのか。
会社のミッションと行動指針を理解させる
何のために存在するか、どのようなサービスを提供するのか、会社のミッションを働く側にしっかりと理解してもらう。理解してもらうには、さまざまな場で繰り返し、粘り強く伝えていくことが必要になる。
また、行動指針をもち、何かトラブルがあった際にも、緊急に対応できるメンタリティを持たせる。
行動指針には順序をつけ、複数の選択肢があった場合にも迷わずに行動できるようにする。
ディズニーランドの行動指針(優先度順)
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- 安全性
- 礼儀正しさ(笑顔、挨拶、アイコンタクト)
- ショー
- 効率(チームワーク、ムダを省く)
人を育てる際のポイント
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- 教える内容、教え方(しくみ)が理論的である。
- 心理的な工夫が施されている。(シンプル、基本的なことにポイントを絞る)
- 熱意を持って教える
「見て覚えろ」や「短時間教えてほったらかし」は論外である。
人は会社のとって資産であるため、間違った育ち方をすると会社自体が損失を被る。
信頼関係を築くには
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- リーダーシップを持って接する。(ホスピタリティマインド、自分自身が模範となる)
- きちんと見てあげる。(ミッションにしたがっているか、困っていないか、ミスやロスはないか)
- 何か感じたらすぐに声をかける。(見ていることを実感させる、声をかけられない場合はメモを渡す)
- 成果だけに注目せずに、行為そのものも評価する。
- 間違った行動をした場合はその場で注意する。(メールなどで伝えるのはNG)
- まめに声をかける。(相手の情報を積極的に収集する)
働き手のスキルを高める
コーチング的対応
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- 小さな目標設定(スモールステップ)を与える。
- 「目標設定-達成」のサイクルを繰り返す。
カウンセリング的対応
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- 共感を持って傾聴する。
- 表情やしぐさ、言葉づかいに注意する。
- 自分の意見を言わない
- 結論を急がない
モチベーションを上げる
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- 成果を出す部署は人間関係が良好。(常に笑顔、アイコンタクト、挨拶を交わしあう)
- 会社の風土作りは上司や先輩がカギになる。リーダーシップを持って行動する。
- 仕事の重要性を繰り返し伝える。
- 誇りを持てる職場作りを行う。
- 指示する際は、理由も正確に伝える。(効率や生産性があがる)
- 良い点はその場でほめる。
自主性・主体性を育てるには
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- きちんと評価を伝える。
- 小さな目標設定(スモールステップ)をあたえる。
- チャンスを与えて自立を促す
- 作者:福島 文二郎
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)