~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)
- 作者:ゲイリー・ヴェイナチャック
- 発売日: 2010/07/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
先般の記事、Facebookの活用事例/Facebookをビジネスに使う本で、Facebook利用の事例としてワインライブラリー・ドットコムを紹介した。
ここで紹介する書籍『ゲイリーの稼ぎ方』は、ワインライブラリー・ドットコムの代表ゲイリー・ヴィイナチャック氏の仕事術だ。
本書は、米アマゾンで500以上のレビューがついており、評価値は4.5と非常に高い値である。
ゲイリーは、CNNなどのテレビにも出演し、アメリカでも注目度の高いソーシャルマーケッターなのだ。
ゲイリーは3歳の時、家族とともに1978年にベラルーシからアメリカに移住。16歳の時に父の経営していた酒屋を手伝い始めたことがワインライブラリー・ドットコムのスタートである。
大学を卒業してから、店に常勤する。
1年目にオンライン販売を開始し、年商を400万ドルから1000万ドルに拡大した。2年目に売り上げは2000万ドルを突破。
現在は、年間5000万ドルを売り上げ、最低でも20%の成長を続けている。
Wine Libraryの概要
現在も実店舗は、ニュージャージー州でオープンしている。(上写真、Googleストリートビュー)
実店舗とオンライン販売の売上比率は不明であるが、1年目、2年目の売り上げから、実店舗20%、オンライン販売80%と位ではないかと推測される。
オンラインショップは非常に落ち着いたデザインで、商品写真がとても丁寧に撮影されているのがとても好印象である。
商品ごとにボトルの写真とラベルの写真がつけられており、商品説明もとても丁寧だ。商品の特徴、製法、製造地の説明がきちんと記されている。
ページ左の最下位部に「Winelibrary TV」のバナーが貼り付けられている。
ここがゲイリーのソーシャルマーケティングの舞台だ。
ゲイリーの成功術
ゲイリーの考え方はとてもシンプルだ。
本書で自身の成功の秘訣を次のように言っている。
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- 家族を大事にする
- 鬼のように働く
- やりたいことをやる!
本書では、何度となく「やりたいことをやる!」に言及している。やりたいことをやることで発生する情熱が大切なのだと。
また、個人ブランディングの重要性も熱く説いている。
個人ブランドを確立するには、次のことを行わねばならない。
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- ありのままの自分でいること
- 一番重要なことに金を使う
- コミュニティと会話する
- 一番を狙う
- やる気と情熱を最大限につぎ込む
- やり続ける
- 商品をだれよりも知ること
自分を偽らず、信じたことを真摯に黙々とやり続けるのだ。
そして、第9章の「これしかない、世界成功最強のマーケティング戦略」では、成功するための最大かつ最強の戦略がたった1行語られている。
お客様への心遣い
ゲイリーのソーシャルメディア
ゲイリーが行っていることは、決して複雑なことではない。
週に1回程度ワイン紹介を行うブログや動画を作成する。動画はだいたい20分程度だ。
作成した動画は、ViddlerまたはYoutubeにアップする。
あとは、ブログや動画をアップしたことをTwitterやFacebookに通知するだけ。
しかし、ここからは少し大変だ。ブログやTwitter、Facebookでもらったコメントにしっかりと答えること。
キチンとしたコミュニケーションをとること、直接顧客と対話することが何よりもネットワークコミュニティでは、大切なことなのだ。
ゲイリーが得た教訓
本書内で、ゲイリーが一番言いたいことはここだ。
2008年12月、僕は7500ドルをかけ、3つの広告を打った。高速道路脇のビルボード看板、ダイレクトメール、そしてラジオ広告だ。ワインライブラリー・ドット・コムのキャンペーン「配送料無料のコード」の宣伝が目的だった。
結果は、看板からの注文が170件、ラジオからは240件、そしてダイレクトメールからは300件を少し超える注文があった。実はこれとは別に、無料のツイッターを使って同じように配送料無料のコートを伝えたのだが、ツイッターからの注文は、なんと1700件超。しかも、告知から48時間以内にこれだけの注文が入った。
これは、「アメリカだから」という訳ではない。
実際に日本でも同じことが起きている。
ソーシャルメディアを使ったマーケティング活動は、これからの企業の運命を大きく左右するのだ。特に中小企業にとっては、ソーシャルメディアの活用術が未来の売り上げを決めるのだ。