Facebookの活用事例/Facebookをビジネスに使う本

Facebookをビジネスに使う本

Facebookをビジネスに使う本

  • 作者:熊坂 仁美
  • 発売日: 2010/11/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

先般の記事「営業不要のマーケティング/インバウンド・マーケティング」では外回りの営業を積極的に行わず、ウェブ上での活動を通じて顧客より声をかけてもらう「インバウンド・マーケティング」というマーケティング手法を書いた。

インバウンド・マーケティングでは、ソーシャルネットワークサービスを通じて、積極的に自社商品(サービス)の情報提供を行うということが重要な作業となる。
「Facebookをビジネスに使う本ーお金をかけずに集客する最強のツール」は、Facebookをビジネスで活用するための手法が書かれた書籍だ。

本書内では、海外の成功事例が15ほど紹介されている。
その中で、日本におけるマーケティングでも応用できそうな事例を3つ紹介したい。

動画でアピール−ワインライブラリー・ドットコム

ワインライブラリー・ドットコムはワインのインターネット販売だ。年間売り上げは約50億円。現在も、最低でも前年比20%という成長を続けている。
ワインライブラリー・ドットコムで特徴的なのはオーナーのゲイリー・ベイナーチャック氏が前面に出て商品広告をしているということ。商品紹介を行うWine Library TVでは動画で毎日2〜3本のワインを紹介している。

商品購入までの誘導は(1)コンテンツを作成、(2)ブログを更新、(3)ブログの更新を「Twitter」、「Facebook」に告知、(4)ブログへアクセス、(5)ウェブショップに誘導という手順である。
Facebookでは複数のフェイスブックページを運営し、内部でのコミュニケーションを大切にしている。

ワインライブラリー・ドットコムの成功の要因はゲイリー氏の強いキャラクター性もあるが、毎日、コンテンツを更新する姿勢と、顧客とのコミュニケーションを絶やさないことにあるのでは。

「いいね」で共有−リーバイス

アメリカのリーバイスネットショップでは「Friend Store」なるページが用意されている。

Facebookのアカウントでログインすると、友人が「いいね」ボタンを押した商品が表示される。
ジーンズに限らず、洋服は趣味がわかれる。ファッションセンスがよいあの人が「いいね」と言った。体型が似ているあの人が「いいね」と言った。考え方や体型をよくわかっている知人の意見は大変に参考になるものだ。

Facebook上でのフェイスブックページを作って活動するだけではなく、自社のネットショップにFacebook機能を取り込む。
このような使い方は今後日本でも進んでいくであろう。

ジープ好きのコミュニティーAll Things Jeep.com

All Things Jeep.comはジープ関連商品のネットショップ。
Facebookでの活動はフェイスブックページでのファンからの投稿写真である。このページの中でジープファンの中身の濃いコミュニケーションが行われる。
コミュニティの中で活動しているファンは5000人程度と決して多いわけではないが、一ひとりひとりの参加者の活動密度が濃いため非常に盛況感がある。

このフェイスブックページではネットショップへの誘導や宣伝を行っていないのが特徴である。ジープファンの信頼を得ることが、All Things Jeep.comのFacebookでの活動意義なのである。

Facebookインバウンド・マーケティングの重要な核

このようにアメリカでは、企業の規模を問わず、Facebookのビジネス利用は当たり前になっている。
今後、日本において、もさらにビジネス利用者数は、増加していくであろう。
インバウンド・マーケティングで成功を収めるには、(1)継続すること、(2)突き抜けること、(3)コミュニケーションを図ること、が重要になってくる。

ただ、「流行っているから利用する」ではダメだ。どのように利用し、どの程度の効果を期待するのか。このデザインができていないとウェブ上で成功することはできない。