「勝負は時の運」ということわざがあります。
しかし、勝負を仕掛ける際に時の運だけを信じて、戦いに望む人間はいません。
勝負を仕掛ける際は「高い勝算」があるか、「勝ちたいという意地」があるかのどちらかです。
いずれにせよ、我々が勝負をする際は、何らかの打算的な心理状態に落ちっているわけです。「勝ちたい」という心理状態は冷静は判断を狂わせ、勝負を大きく敗北の方向に向かわせます。
20年間無敗の伝説の雀師、桜井章一さんは著書「負けない技術」で我々が敗北に追い込まれる状態を次のように書いています。
「たいがいの人が勝手に自滅していく」ということは、勝負の世界のみならず、仕事や人生、そして社会全体にもいえることだ。それは、しかるべきことをしかるべきタイミングでやらないので、不必要なことばかりしてしまうからにほかならない。
本書では、自滅しない心得として次の事を述べています。
負けない5箇条
勝負は「勝つ」ことが全てではありません。
負けないという選択肢をあることを理解して、勝ちを目指すのでは無く、負けないことを目指します。
勝ちたいという気持ちは、欲望と同じで限度がない。
・・・
負けなければいいわけだから、相手をとことん追い込む必要もない。必然的にそこには一定の限度というものが生じてくる。
では、負けないためにはどうすればよいのでしょう?
(1) 「勝ちたい」という欲より「負けない」という冷静さ
勝ちたいという気持ちは冷静な判断を狂わせます。
「勝たなくても良い、負けなければ良いのだ」という気楽かつ冷静な精神状態になる事が大切です。
自身の中にあるプレッシャーを解き放つのです。
(2) 流れを読み、流れに逆らわない
勝負には必ず流れがあります。
冷静な精神状態であれば、必ず勝負の流れが見えてくるはずです。
流れの中で、今は勝負を仕掛けるときなのか、じっと耐えるときなのかを判断します。
(3) 冷静に周りを見ているか?
勝負は必ず相手がいます。
多少のハンデはあるかもしれませんが、相手も同じような心理状態で勝負に望んでいます。
プレッシャーだってあるはずです。そのプレッシャーを感じ取り、相手の心理状態を読み取り、空気を肌で感じ取るのです。
様々なことを「気づく」こと「感じる」とこが不可欠です。
(4) ミスを犯した後が大事
ミスは必ず発生します。
ミス自体は大きな問題ではありません。ミスを犯したら、その傷口を広げないようにすればよいのです。
ミスを隠したり、他人のせいにしたりするとミスの傷口はどんどん広がっていきます。
(5) 悪い流れは自らの手で断ち切る
じっと我慢をしていても、流れがこちらに向かわないことがあります。
そんなときは、思い切って普通では考えられない行動をしてみましょう。
その場の空気を変えることで流れが変わることがあります。
ビッグウィンは連続しない
「最大の利」を得る勝利は連続して続くことはありません。
「最大の利」を得るには精神をすり減らし、多くの敗者を生み出していく必要があります。
勝利の裏には敗者がいることを忘れてはなりません。
たった1回の「最大の利」をつかみ取るより、「最低限の利」を数多く獲得する努力をした方が少ない投資で精神的疲労も少くてむのです。
私は、「自分に負けない」ということは、自分に対してごまかしのない姿勢で歩み続けることだと考えている。
欲にとらわれることなく、自分自身と正直に向き合うことの大切さを説いています。